天皇の再定義
後醍醐天皇は在家のままで
密教の奥義に達し灌頂を受け
清浄光寺所蔵の肖像に描かれるように
神々の世界の包摂を示すなど
朝廷と幕府による
二元構造を否定しただけでなく
王権と神仏の二元性にも踏み込み
神仏の権威も統合、支配しようとした
天皇とは何か
『古事記』『日本書紀』での
神話に著されるように
一貫して神の純潔性を保つものなのか
清浄光寺肖像において
八葉蓮華に座し
太陽を象った冕冠を被り
右手に五鈷杵、左手に五鈷鈴
仏法の頂点に立つ姿が描かれるように
仏をも包摂した存在なのか
理論的解明が要されることとなる
夏の夜は
まだ宵ながら
明けぬるを
雲のいづこに
月宿るらむ
『古今集』夏・166