歴史家は
事実を集め
これを家に持って帰り
これを調理して
自分の好きなスタイルで食卓に出す
事実はみずからを語る
という言い慣わしがあるが
それは嘘であり
いかなる事実も
いかなる順序
いかなる文脈で発言するか
それを決めるのは歴史家であり
どの事実を
歴史的事実という
高級クラブのメンバーに
加入させるかを決定しているのも
歴史家である
「われわれが読んでいる歴史は
確かに事実には基づいているけれども
厳密に言うと、決して事実ではなく、むしろ
広く認められている幾つかの判断である」
Geoffrey Barraclough
「すべての歴史は思想の歴史」であり
いつも記録者の心を通して屈折して現れる
歴史とは解釈であり
歴史家は、自分の好む事実を
手に入れようとする
つまり事実を知るためには
その歴史家の研究をしなければならない