
「慈鎮、西行などは歌よみ
その外の人は歌つくりなり」
藤原定家
情懐よりも技巧に力を注いだ人々が
「歌つくり」であり
その対極にいるのが
「歌よみ」である西行
いかに歌を上手くつくるかではなく
感懐を優先した歌人西行
武士の位を捨て出家したが
平氏と源氏の争いによる殺戮
おびただしい死をまのあたりにしながら
仏道と歌道のはざまを彷徨い
厳しい自己凝視で
さとりの境地へ至れない
自身の煩悩を歌にした
にほてるや凪ぎたる朝に見わたせば
漕ぎ行く跡の浪だにもなし
(拾玉集、第四)
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