日本思想史

第6章

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茶湯者覚悟十躰
上を麓相、下を律儀に信在るべし


室町期の文化は
北山文化の豪華さと
東山文化の幽玄志向との
両極端を揺れ動く
光と影のどちらも持ち合わせており


この特性を最も顕著に現す文化が
茶の湯である


高価な唐物の道具を用いて
豪勢に行われた闘茶は
村上珠光、武野紹鴎、千利休
と継承される中、次第に茶の湯として
精神化されてゆき
二畳の狭い草庵の茶室
簡素化された中に
最高の贅沢を
見出そうとするものであった


岡倉天心の茶の本によれば


茶は日常生活の俗事の中に
美を崇拝する一種の審美的宗教であり


鴨長明の言葉をかりれば


詮はただ
詞に現はれぬ余情
姿に見えぬ景気なるべし
心にもことはり深く
詞にも艶極まりぬれば
これらの徳は
おのづから備はるにこそ


幽玄とは言葉には現れぬ
詠い手の内面である







花をのみ
待つらん人に
山里の
雪間の草の
春を見せばや

壬二集  藤原家隆




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