「私と村」
何だこれと思って
美術館で立ち止まった覚えがある
色彩も構図も印象深いし
何書いてんだろって見つめてたけど
この本で理解できた

ここに描かれているのは
「パリにやってきたシャガールの回想」
芸術の都パリに来て
シャガールが思い描くのは
セーヌ川でもなく
エッフェル塔でもなく
パリの娘たちでもなく
愛する故郷の情景
現実ではなく幻想であるからこそ
現実感のない世界観を表現している
人は、愛する者が傍らにいない時
いっそう強く、いっそう鮮明に
そしていっそう慕わしく
その姿を描くものである